静かな信頼を築く──葬儀場の看板が果たす「安心」の役割
時代とともに、私たちの暮らしも価値観も少しずつ変化しています。その中でも特に大きな変化が見られるのが、「お別れのかたち」。
かつては親族や地域の人々が一堂に会して行われていた葬儀も、今では“家族葬”が主流になりつつあります。限られた近親者だけで静かに見送る、そうしたスタイルが多くの方々に選ばれるようになってきました。
そんな時代の変化に真摯に向き合っているのが、私たちのお取引先である地元の葬儀場様です。
「大勢の参列者が来られるような時代ではありません。でも、家族にとって大切なお別れの時間に、安心して過ごせる場所を提供したいんです」
そう話してくださったのは、地元で長く葬祭業を営んでおられる葬儀場の担当者様でした。
現在、その葬儀場様では、家族葬に特化したプライベートな空間を整え、事前相談・見学・資料提供などを積極的に行っています。しかし取り扱う内容が内容だけに、「看板での宣伝」は控えめにせざるを得ません。
「いざという時に、思い出してもらえるだけでいいんです。だからこそ、まずは“名前”だけでも認知してもらえたら」
その想いに応える形で、私たちは国道沿いの視認性の高い場所に、落ち着いたデザインの看板を提案しました。派手な訴求は避け、施設の名前と「家族葬対応・事前相談受付中」という簡潔な文言に絞ったデザインです。
設置してから数週間。
直接的な反応が即座にある──という種類の業種ではありませんが、徐々に「このあいだの看板を見て」と資料請求や見学のお問い合わせが入るようになったそうです。
一見すると静かな動き。
でもその“静けさ”の中に、着実な信頼の種まきが行われているのです。
特に印象的だったのは、あるお客様の言葉です。
「父が倒れて動揺していた時に、あの看板を見たことを思い出して連絡しました。準備が整っていたおかげで、慌てずに見送ることができました」
「不安な時だからこそ、選んでもらえる安心を──」
これは、葬儀場様が掲げる理念のひとつです。
その安心感を育む第一歩として、「看板」はとても重要な役割を果たします。
決して派手さや目立ちすぎる装飾が必要なわけではありません。
視線に自然に入り、必要な時に思い出してもらえる場所。
そんな立地に、落ち着きと信頼感を感じさせる看板を設置することこそが、このような業種には最も適しているのです。
看板とは「出会いの準備」だと、私は思います。
それは売上や集客数だけでは計れない、もっと根本的な価値──“困ったとき、誰に連絡するかを決めておく”という人間の心理に応えるもの。
その心理に寄り添う広告であるために、私たちも日々、表現のバランスや設置場所の意義を追求し続けています。
今回の葬儀場様の事例は、「看板」という存在の奥深さをあらためて感じさせてくれました。
売り込みではなく、寄り添い。
目立つよりも、安心を伝える。
“静かな看板”が、地域に根づく信頼の灯を灯し続けているのです。
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