強い拒絶に出会ったとき、営業は一段階深くなる
昨年末、一本の営業メールをきっかけに、忘れられない経験をしました。
送った先の企業様から返ってきたのは、想定外の返信でした。
「今後、営業メールは送ってこないでほしい」
「迷惑メール扱いにした」
しかも、顧問弁護士の名前入り。
正直、驚きました。
これまで様々な営業をしてきましたが、返事がないことは日常茶飯事でも、ここまで強い拒絶を受けたのは初めてでした。警告、と受け取るべき内容だったと思います。
一瞬、心がざわつきました。
「そこまで言われることなのか?」
「自分のやり方が間違っていたのか?」
そんな思いが頭をよぎります。
けれど時間が経つにつれ、別の考えが浮かびました。これは“失敗”というより、「相手の線を越えてしまった」という事実を、はっきり突きつけられただけなのではないか、と。
営業とは、こちらの都合を押し付ける行為ではありません。相手の状況や温度感を想像し、その一線を越えない配慮があってこそ成り立つものです。今回は、その想像力が足りなかった。そう受け止めました。
若い頃なら、落ち込むか、反発するか、どちらかだったでしょう。
でも今は違います。
「こういう反応もある」
「これは学びとして受け取ろう」
そう静かに整理できた自分がいました。
年を重ねると、営業は“数”や“勢い”よりも、“距離感”がものを言うようになります。
誰にでも届く営業は、誰の心にも残らない。逆に、届かない相手には、無理に近づかない判断も必要です。
今回の出来事は、痛みを伴いましたが、自分の営業スタンスを見直す大切なきっかけになりました。拒絶は、必ずしも否定ではない。「ここから先は入らないでほしい」という、相手からの明確なサインなのだと思います。
営業を続けていると、こうした経験も避けて通れません。だからこそ、経験を重ねた今、感情的にならず、一歩引いて受け止められたことを、自分なりの成長として大切にしたいと思っています。