年度替わりに「思い出される会社」になるために
3月の年度末から4月の新年度にかけて、企業の空気は一気に切り替わります。
予算が確定し、体制が変わり、新しい担当者が動き出す。そんな節目の時期に、ふと思い出される会社と、そうでない会社があります。
この違いは、実は営業の「強さ」や「巧さ」だけではありません。
むしろ大切なのは、忙しい時期に無理に売り込まなかったか、相手の立場を理解した関わり方ができていたか、という点だと感じています。
年度末は、どの会社も余裕がありません。
だからこそ、この時期に届く営業の一通一通は、想像以上に記憶に残ります。
強く印象に残るのは、派手な提案よりも、「こちらの事情を分かってくれている」と感じられるやり取りです。
例えば、
「お忙しい時期かと思いますので、詳細は新年度に改めてご相談させてください」
そんな一言が添えられているだけで、相手の受け取り方はまったく変わります。
思い返すと、私自身も新年度に入ってから、
「そういえば、あの会社は気遣いのある対応をしてくれていたな」
と、後から名前が浮かぶことがあります。
年度替わりに思い出される会社とは、
無理に前に出る会社ではなく、相手のリズムを乱さず、必要なときにそっと横にいる会社なのかもしれません。
営業は、今すぐ成果が出る行動だけが正解ではありません。
目に見えない信頼を積み重ね、その信頼が必要になった瞬間に、自然と声がかかる。
そうした関係性は、一朝一夕では築けませんが、確実に次の仕事につながっていきます。
年度が切り替わるこの時期こそ、
「売り込む営業」よりも、「思い出される存在」であることを意識していきたいものです。
静かに、しかし確実に。
その積み重ねが、新しい年度のスタートを支えてくれると、私は思っています。