話を聞く人が最後に信頼される
営業という仕事をしていると、「話す力」が大切だと言われます。
確かに、商品やサービスの魅力を伝える力は必要です。
しかし、長年仕事を続けてきて感じるのは、信頼される人ほど実は「話す人」ではなく、「聞く人」だということです。
若い頃の私は、お客様に会うと一生懸命に説明していました。
自社の強み。
看板の効果。
過去の実績。
少しでも良さを伝えたいと思い、たくさん話していたように思います。
ところが、経験を重ねるうちに気づきました。
お客様が本当に求めているのは、こちらの話を聞くことではなく、自分たちの話を聞いてもらうことなのだと。
「なぜ広告を出したいのか」
「何に困っているのか」
「どんな未来を目指しているのか」
そこを理解しなければ、本当に必要な提案はできません。
例えば看板のご相談でも、
「看板を出したい」という言葉の奥には、
新規のお客様を増やしたい。
採用を強化したい。
会社の認知度を上げたい。
そんな本当の目的が隠れていることがあります。
その目的を知るためには、まず話を聞かなければなりません。
しかも、途中で答えを出そうとせずに。
相手の話を最後まで聞く。
言葉の奥にある思いを想像する。
分かったつもりにならずに確認する。
地味なことですが、とても大切なことです。
実際、仕事ができる人ほど聞き上手な印象があります。
必要以上に自分を語らない。
相手の話を遮らない。
そして、相手自身も気づいていなかった課題を整理してあげる。
その結果として、
「この人は分かってくれている」
という信頼が生まれるのだと思います。
以前のブログで、「口を出さずに、空気を整える人」という話を書きました。
話を聞く人も、それに近い存在かもしれません。
目立つわけではない。
派手なパフォーマンスもない。
しかし、その場に安心感を生み出している。
そして、その安心感が信頼につながっていく。
仕事も人生も、年齢を重ねるほど「話す力」より「聞く力」の大切さを感じます。
相手の話を丁寧に聞く。
相手の立場で考える。
そして、本当に必要なことを一緒に考える。
そんな姿勢を忘れずにいたいものです。
最後に信頼されるのは、たくさん話した人ではなく、しっかり話を聞いた人なのかもしれません。