答えを急がない人が、最後に良い判断をする
仕事をしていると、判断を求められる場面が数多くあります。
この案件を進めるべきか。
この提案を受けるべきか。
この問題にどう対応するべきか。
経営者であれば、なおさらです。
日々、大小さまざまな判断を繰り返しています。
若い頃の私は、「早く決めることが良いことだ」と思っていました。
迷ってはいけない。
即断即決ができる人が優秀なのだ。
そんなイメージを持っていたように思います。
もちろん、スピードが求められる場面はあります。
しかし、経験を重ねるうちに気づきました。
早く決めることと、良い判断をすることは、必ずしも同じではないということです。
むしろ重要な判断ほど、少し時間を置いたほうが良い場合があります。
感情が動いているとき。
腹が立っているとき。
焦っているとき。
期待が大きくなっているとき。
そんな状態では、視野が狭くなります。
見えるものも見えなくなる。
聞こえるものも聞こえなくなる。
だからこそ、一度立ち止まる。
すぐに答えを出さない。
その時間が大切なのだと思います。
前回のブログで「沈黙を怖がらない人」について書きました。
実は判断も同じです。
沈黙の時間には意味があります。
人の話を聞く時間。
状況を整理する時間。
自分の考えを見つめ直す時間。
そうした時間を経て初めて、本当に必要な答えが見えてくることがあります。
私自身、仕事を通じて何度も経験してきました。
その場で断ろうと思った案件が、翌日には違って見えることがある。
逆に、その場では魅力的に思えた話が、一晩考えると危うく見えることもある。
時間は、不思議な力を持っています。
感情を落ち着かせ、本質を見せてくれる。
だから私は、重要な判断ほど急がないようにしています。
もちろん、先送りとは違います。
決めないことを正当化するわけでもありません。
必要な情報を集める。
関係者の話を聞く。
考える時間を持つ。
そのうえで決める。
それが、答えを急がないということです。
世の中はスピードを求めます。
早い返事。
早い判断。
早い結果。
しかし、本当に大切なことほど、少し時間をかけたほうが良い場合があります。
聞く。
待つ。
考える。
そして決める。
この順番を守るだけで、判断の質は大きく変わるように思います。
年齢を重ねるほど感じます。
良い判断をする人とは、決断が早い人ではない。
必要なときに立ち止まれる人なのだと。
答えを急がない。
その小さな余裕が、結果として大きな違いを生むのかもしれません。