迷う時間にも価値がある
年齢を重ねるほど、「迷う」ということに対する考え方が少しずつ変わってきました。
若い頃は、迷うことをあまり良いことだと思っていませんでした。
迷うということは、自信がないこと。
判断が遅いこと。
決断力が足りないこと。
そんなふうに考えていたように思います。
だからこそ、早く答えを出そうとしていました。
しかし、仕事を続けていると、必ずしもそうではないことに気づきます。
むしろ、大切なことほど簡単には決められません。
すぐに答えが出ないのは、それだけ真剣に向き合っている証拠なのかもしれません。
例えば、新しい案件の話が来たとき。
「やります」と即答するのは簡単です。
反対に、「今回はやめておきます」と断ることも簡単です。
しかし、本当に大切なのは、その間にある時間なのだと思います。
自分たちにできることは何か。
相手にとって本当に価値があるのか。
無理をしていないか。
長く続く仕事になるのか。
こうしたことを一つ一つ整理する。
その時間があるからこそ、判断に厚みが生まれます。
以前のブログで、「答えを急がない人が、最後に良い判断をする」という話を書きました。
今回は、その一歩先の話です。
答えを急がないということは、迷う時間を持つということでもあります。
もちろん、迷い続けることとは違います。
決めることから逃げることでもありません。
必要な時間を取って、考えるということです。
最近は、むしろ迷えること自体が大切なのではないかと思うようになりました。
なぜなら、人は慣れてくると、考えなくなるからです。
「いつものやり方でいいだろう」
「前回も問題なかったから大丈夫だろう」
そうして、判断が作業になってしまう。
ここに、少し怖さを感じます。
迷いがなくなったときこそ、注意が必要なのかもしれません。
仕事には、正解が一つしかないものは少ない。
だからこそ、立ち止まって考える。
違う角度から見てみる。
相手の立場に置き換えてみる。
そうした時間が、とても大切になります。
そして、もう一つ感じることがあります。
迷う時間は、自分を落ち着かせてくれます。
焦っているときほど視野は狭くなります。
急いでいるときほど、本質を見失います。
そんなときは、一度立ち止まる。
すぐに答えを出さなくてもいい。
少し時間を置く。
すると、不思議なことに見え方が変わることがあります。
仕事も人生も、急いでばかりでは良い景色は見えません。
ときには立ち止まり、迷いながら進む。
その時間があるからこそ、自分なりの答えにたどり着けるのだと思います。
年齢を重ねるほど感じます。
迷うことは弱さではない。
むしろ、物事に誠実に向き合っている証なのかもしれません。
これからも、答えを急ぎすぎず、迷う時間を大切にしていきたいと思います。
その積み重ねが、より良い仕事につながっていくような気がするのです。