変化を受け入れる人は、自分の弱さも受け入れている
年齢を重ねると、少しずつ分かってくることがあります。
自分一人でできることには、限りがある。
昔は、それを認めることが少し悔しかったように思います。
経営者なのだから、自分が判断しなければならない。
自分が分かっていなければならない。
困ったときほど、自分が前に出なければならない。
そんなふうに考えていた時期もありました。
もちろん、経営者として責任を持つことは大切です。
最後に決断するのも、自分です。
しかし、仕事を長く続けていると、それだけでは会社は続かないことに気づきます。
自分には分からないことがある。
自分にはできないことがある。
自分だけでは見えない景色がある。
そのことを認めることが、決して弱さではない。
むしろ、そこから新しいものが見えてくるのだと思います。
以前、このブログで「任せることも、仕事の一部である」と書きました。
任せるというのは、相手を信じることです。
同時に、自分一人ですべてを抱え込まないということでもあります。
協力会社の方に相談する。
経験のある人の意見を聞く。
自分とは違う考え方を受け入れる。
そうすることで、自分一人では気づかなかったことに気づくことがあります。
最近、ありがたいことに新しいご縁や業務提携のお話をいただく機会も増えました。
そんなときも、すぐに結論を出すのではなく、周りの意見を聞くようにしています。
自分では「これは良い話だ」と思っていても、別の人から見れば違うリスクが見えるかもしれない。
反対に、自分が気づかなかった可能性を教えてもらうこともあります。
それは、自分の考えを否定されたということではありません。
会社をより良くするために、視点を増やしているのです。
変化を受け入れるということも、同じなのかもしれません。
「今までこうしてきたから」
「自分はこのやり方でやってきたから」
そうやって過去の経験だけにしがみついてしまえば、新しいものを受け入れることが難しくなります。
経験は、大きな財産です。
しかし、経験がそのまま正解になるとは限りません。
時代が変われば、やり方も変わる。
お客様が変われば、求められるものも変わる。
だからこそ、経験を土台にしながらも、「自分の考えがすべてではない」と思える柔らかさを持っていたい。
年齢を重ねるということは、何でも分かるようになることではないのかもしれません。
むしろ、
「分からないことがある」
と素直に言えるようになること。
「教えてください」
と頭を下げられるようになること。
「あなたの意見を聞かせてください」
と相手に尋ねられるようになること。
そんな変化なのかもしれません。
以前なら、自分で答えを出すことに価値があると思っていました。
今は、良い答えを出すために、誰の意見を聞くべきかを考えるようになりました。
これは、小さな違いのようでいて、大きな違いです。
自分の弱さを認める。
だから、人に頼ることができる。
人に頼ることができる。
だから、より大きな仕事にも挑戦できる。
そして、知らなかったことを知ることで、自分自身も変わっていく。
そう考えると、弱さを受け入れることは、変化を止めることではありません。
むしろ、変化するための余白をつくることなのだと思います。
これからも、時代は変わっていきます。
新しい広告が生まれ、新しい技術が登場し、仕事のやり方も変わっていくでしょう。
その中で、分からないことを無理に分かったふりはしたくありません。
分からないことは聞く。
できないことは頼る。
良いものは素直に取り入れる。
そして、最後は自分の責任で決める。
そんな姿勢でいたいと思います。
本当の強さとは、何でも自分一人でできることではないのかもしれません。
自分の弱さを認め、それでも前へ進めること。
そして、周りの力を借りながら、自分自身も変わり続けること。
それが、長く仕事を続けるための強さなのだと思います。
守りたいものがあるから、変わる。
変わるためには、自分の弱さも認める。
その繰り返しの中で、会社も、そして自分自身も、少しずつ成長していくのだと思います。