一人で出来ない事を、恥ずかしいと思わなくなった

若い頃は、何でも自分でできる人が強いと思っていました。

分からないことがあれば、自分で調べる。

問題が起きれば、自分で解決する。

誰かに頼る前に、まず自分で何とかする。

そんな姿勢が大切だと思っていたのです。

もちろん、それも間違いではありません。

自分で考え、自分で動く力は、仕事をするうえで欠かせません。

けれど、仕事を長く続けていると、少しずつ考え方が変わってきます。

一人でできることには、限界がある。

そして、その限界を知ることは、決して恥ずかしいことではない。

むしろ、それを認められるようになってから、仕事が少し楽になりました。

以前、このブログで「任せることも、仕事の一部である」と書きました。

任せるということは、自分の仕事を手放すことではありません。

自分より得意な人に、その力を借りることです。

例えば、看板の施工であれば、現場を知り尽くした協力会社の方がいます。

設備のことなら、その分野に詳しい会社があります。

自分には分からないことでも、その道のプロなら分かる。

だったら、素直に聞けばいい。

最近は、そう思えるようになりました。

以前なら、「こんなことも知らないのか」と思われるのが嫌で、分かったふりをしていたこともあったかもしれません。

今は違います。

「教えてください。」

そう言えることのほうが大切だと思っています。

なぜなら、一人の知識には限界があっても、人と人の知識をつなげれば、できることは大きく広がるからです。

先日も、ある仕事で自分だけでは判断しにくいことがありました。

そこで協力会社の方に相談しました。

すると、自分では考えていなかった視点から意見をいただきました。

「ああ、なるほど。」

その一言で、見えていなかったものが見えてきました。

こういう経験を重ねるたびに思います。

会社は、一人の力で動いているのではない。

たくさんの人の力がつながって、動いている。

お客様がいて。

協力会社がいて。

その先にまた別の専門家がいて。

それぞれが自分の得意な仕事を受け持っている。

だから、一人ではできないことができる。

これは、会社の弱さではありません。

むしろ、強さなのだと思います。

何でも自分で抱え込む会社よりも、必要なときに適切な人へ相談できる会社のほうが、結果として強い。

そして、相談された側も、自分の経験や知識が役に立ったと感じれば、また力を貸してくれる。

そこに信頼が生まれます。

以前、「信頼される人は、誰のために仕事をしているのか」というテーマを書きました。

その答えの一つは、こういうところにもあるのかもしれません。

自分だけで仕事を完成させようとするのではなく、関わる人たちの力を生かしながら、一緒に良い仕事をつくっていく。

そのほうが、お客様にとっても良い結果につながります。

年齢を重ねるということは、できることが増えることだけではありません。

できないことを知ることでもある。

そして、できないことを知ったからこそ、誰に頼ればいいのかが分かるようになる。

これは、若い頃にはなかなか分からなかったことです。

自分一人で頑張る。

それも大切。

でも、自分一人で頑張らない。

それも、同じくらい大切なのだと思います。

これからも、分からないことは聞きたい。

困ったときは相談したい。

そして、自分が誰かに頼るだけではなく、自分もまた誰かの力になれる存在でありたい。

そうやって、お互いの力を借りながら仕事をつないでいく。

その積み重ねが、会社を強くし、人との関係を深くしていくのだと思います。

一人でできないことを、恥ずかしいと思わない。

むしろ、一人ではできないことがあるからこそ、人と仕事をする意味がある。

最近、そんなふうに考えるようになりました。