ご縁は、忘れた頃に仕事になる
先日、少しうれしい出来事がありました。
以前から父が懇意にしていた工務店様。
そして、今も弊社がお世話になっている会社様から、看板掲出に伴う見積りのご依頼をいただきました。
「これも、ご縁だな。」
そんなことを、ふと思いました。
もちろん、見積りを提出したからといって、必ず仕事になるわけではありません。
成果につながるかどうかも、まだ分かりません。
それでも、ありがたいことだと思いました。
なぜなら、今回のご依頼につながっているのは、私自身が築いた関係だけではないからです。
父が長い時間をかけて築いてきた関係。
その積み重ねが、時を経て今の私たちのところへ巡ってきた。
そう考えると、仕事というものは、本当に不思議です。
自分が蒔いた種が、すぐに芽を出すとは限りません。
何年も、何十年も経ってから、思いがけない場所で芽を出すことがあります。
そして、その種を蒔いた本人が、そのことを知らないことさえある。
今回の出来事は、まさにそんなことなのかもしれません。
父がどんな思いでその会社様と付き合っていたのか。
どんな仕事をしてきたのか。
その一つひとつを、私はすべて知っているわけではありません。
けれど、今こうして仕事をいただくことで、その積み重ねの一端を感じることができました。
会社を受け継ぐというのは、建物や設備、取引先の名簿を受け継ぐことだけではないのだと思います。
目には見えないものも、受け継いでいる。
信用だったり。
ご縁だったり。
「あの会社なら大丈夫」という、誰かの記憶だったり。
それらは、数字には表れません。
しかし、会社にとって、とても大切な財産です。
以前、このブログで「受け継ぐものと、変えていくもの」というテーマを書きました。
そのとき、守るべきものは信頼であり、変えていくものは方法なのだと書きました。
今回の出来事で、その言葉を改めて実感しました。
時代が変わっても、人とのつながりは残る。
仕事のやり方が変わっても、信頼は残る。
そして、その信頼が、思いもよらない形で次の仕事につながることがある。
だからこそ、目の前の仕事を粗末にしてはいけないのだと思います。
今は小さな仕事に見えても、それがいつか誰かとの新しいご縁につながるかもしれない。
今日の対応が、何年後かに誰かの記憶に残っているかもしれない。
仕事は、その場で完結しているように見えて、実はそうではないのです。
人から人へ。
会社から会社へ。
ご縁からご縁へ。
見えないところで、つながっている。
だから私は、これから自分がいただくご縁も、大切にしたいと思います。
そして、もう一つ。
自分自身も、誰かの未来につながるような仕事をしていきたい。
今、自分がしていることが、すぐに成果にならなくてもいい。
目の前のお客様に誠実に向き合う。
協力会社の方々との関係を大切にする。
約束を守る。
一つひとつの仕事を丁寧にする。
そうやって蒔いた種が、いつかどこかで芽を出すかもしれません。
その芽を、自分が見ることができないかもしれません。
それでもいいのだと思います。
父が蒔いた種を、今の私が受け取ったように。
私もまた、次の誰かへ渡せる種を蒔いていく。
会社を長く続けていくということは、もしかすると、そういうことなのかもしれません。
ご縁は、すぐに仕事になるとは限りません。
忘れた頃に、思いがけない形で戻ってくることがあります。
だからこそ、今日の出会いを大切にする。
今日の仕事を丁寧にする。
そして、今日いただいたご縁に感謝する。
その積み重ねが、いつか誰かの力になり、また新しいご縁を生む。
そんな仕事を、これからも続けていきたいと思います。